朝焼け

「昨日の事でも思い出してやがるのかな??」



と、急に由美に言われた。


「え?何で?そんな事…」

と言うと、由美がバッグの中から鏡をサッと出して渡してきた。



「顔、真っ赤。
いいなぁ~、アタシと晃は付き合ってもう1年だし。お互いにトキメキも欠けて来た感じだし。


…プラトニックでも無かったし。
晃、手が早くてさぁ…」



「晃君は晃君で、由美が好きだから手が早かったんじゃない?
手が早いとか言いながら由美一筋だしさ?
人それぞれなんだよ!」

と、分かったような事を言ってしまう私。



「でも、プラトニックな付き合いだったらさ、手を繋ぐのにだってトキメくワケでしょ?
いつも新鮮じゃん!」



「…それだと由美は何で何もして来ないの!?
って不安がるでしょ?」


「あ、それもそっかぁ!アハ」


…と、電車ではこんな会話が繰り広げられていた。
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