君のこと。
「へぇーここがよっちゃんの家!きったないなー」


やっぱり昔から変わらない。


傷つくことをさらっと言う。


「わたしよっちゃんのことまだ好きだよ」


突然そんなことをあいつがいった。


「よっちゃんはもうちがうよね?」


なにも言えなくなる。


「俺にはもう彼女がいる。」


それだけを答えた。


「そうだよねぇー…」


少し悲しそうにあいつが笑う。


「わたし通り魔におそわれたとき本当に怖かったんだよ。もう死ぬんだなって思った。」


「あと最後によっちゃんに会いたかったなぁーって」


胸がいたくなる。


「あっそうだ!あの手紙読んでくれた?」


俺の顔をのぞきこむ。


「読んだよ。嬉しかった。でも…」


「わかってるよ、もうよっちゃんには好きな人がいるもんね。」


「でもねわたしよっちゃんが好き。それを言いたかったの。」


「じゃあね。バイバイよっちゃん。」


あいつが薄くなっていく。


「俺お前のこと忘れないから!ずっとずっと!」


「ありがとう。」


そういって笑った。昔のままの笑顔で。


ありがとう。ありがとう。俺はずっとお前のことを忘れないから。
< 11 / 11 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop