狼な彼と赤ずきん
狼さんとの再会
凱旋が終わると、そのまま私はアドランの屋敷に招かれた。


とても豪華で、森のみんなの家とは比べ物にならない。


しかし、金や銀がふんだんに使われたその屋敷は、私には趣味がいいとは感じられなかった。


高級な絵画にも豪華なシャンデリアにも、私は興味がない。



「アレシア様、新しいお召し物をどうぞ」



「湯浴みをなさいますか?それでしたら私がお付き添い致します」



もう私はアドランの妻になるということで話がついているのだろう。


侍女たちが甲斐甲斐しく世話を焼こうとする。


私は全て断って、適当な部屋で休ませてもらうことにした。


すると、すかさずアドランが旦那面をしてついてくる。


しかし、私には彼を突き放す気力もなかった。
< 101 / 129 >

この作品をシェア

pagetop