狼な彼と赤ずきん
狼さんとの・・・
――ゆっくり?
私は途中で異変に気がついた。
狼の歩調が、明らかに遅くなっている。
ふと隣を見れば、彼は出血した胸と肩を押さえて、苦しそうに額に脂汗を浮かべている。
「狼さん!大丈夫?」
ついに倒れかかってしまった狼を、私は慌てて抱きとめた。
まだ怪我が完治していない上、無理を押してアドランと決闘をしたため、傷口が開いてしまったのだろう。
どうすれば、どうすれば――。
周囲を見渡しても、整備された道路には薬草ひとつ生えていない。
応急処置もできない状況で、私はどう対応していいかわからず、苦しそうにもがく狼の背中をさすることしかできなかった。
肌が熱い。
出血どころか、発熱もしているのだ。
私は途中で異変に気がついた。
狼の歩調が、明らかに遅くなっている。
ふと隣を見れば、彼は出血した胸と肩を押さえて、苦しそうに額に脂汗を浮かべている。
「狼さん!大丈夫?」
ついに倒れかかってしまった狼を、私は慌てて抱きとめた。
まだ怪我が完治していない上、無理を押してアドランと決闘をしたため、傷口が開いてしまったのだろう。
どうすれば、どうすれば――。
周囲を見渡しても、整備された道路には薬草ひとつ生えていない。
応急処置もできない状況で、私はどう対応していいかわからず、苦しそうにもがく狼の背中をさすることしかできなかった。
肌が熱い。
出血どころか、発熱もしているのだ。