狼な彼と赤ずきん

あまりに彼らが楽しそうにしているので、私は寝起き姿であることも構わず、つい窓から身を乗り出した。


一晩寝たからか、体を動かしてももうあまり痛まない。



「お！赤ずきんちゃんのお出ましだぞ！！」



私が顔を出した途端、獣人たちの中でも特に小柄なリスらしき少年が私を指さして声を上げた。


すると彼らは食事をやめて一斉にこちらを振り向く。


色も形もさまざまな瞳に凝視され、私は思わずたじろいだ。


しかしそんな私にお構いなしで、彼らは次々と親しげに声をかけてくる。



「おはよう、赤ずきんちゃん。昨日はよく眠れたかい？」



「早くこっちへ出てきておくれよ！おいら、背が低くて君の顔が見えないんだ」



「みんな、君の訪れを歓迎しているんですよ。ほら、こちらへ」