狼な彼と赤ずきん
雨が降るなんて知らなかったから、傘を持っていない。


それに、こんな暗闇では、たとえ傘を持っていたとしても帰れないだろう。


焦りで背中がぞくぞくする。


冷や汗が額に浮かぶのを感じた。


どうしよう、どうしよう、どうしよう……。


呆然と立ち尽くす私。


すると突然、図書室のドアが大きく音を立てて開いた。



「誰!?」
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