狼な彼と赤ずきん
事情はわからないが、この森で何かが起きようとしていることは確かだろう。


前回、この前、という言葉も妙に引っかかる。


以前も何か事件が起きたことがあるのだろうか。



私はすぐに着替えて、彼らのもとに向かった。



「ねえ、みんな。一体どうしたの?そんな顔して……」



私が姿を現すと、彼らはぎょっとしたように身を引いてしまう。



「えっ……」



彼らの反応に私まで驚いて立ち尽くしてしまう。



「赤ずきん、これは俺らの問題だ。お前は、関係ない」



呆然とする私に、狼が静かにそう告げた。


それはまるで、私が部外者であるとでも宣告しているようだ。
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