背番号6、最後の青春
2.
翌日、いよいよやってきた試合当日。
6番のユニフォームに違和感を抱きながらもしっかり持って、会場となる学校へ向かう。
もちろんその学校までは弘也と行く。なるべく近くの人と行ったほうがいいらしいし。
途中電車に乗らなければいけないのだが、駅までは弘也のお母さんが送ってくれた。
多分、足のことを気にしてだろう。
それから電車を待って乗ったのだが、朝だからそれなりに混んでいた。
とはいえ、席に人が座りきれないくらいであって、満員というほどでもないから窮屈ではないが。
「混んでるな」
弘也にふと声をかけると、弘也は周りをグルリと見渡してから、
「確かに、混んでるな」
そう言って苦笑いをしていた。
電車通学の人からしたらそんなに混んでないかもしれないが、徒歩で通学していて電車にあまり乗らない人からしたら混んでいる。
ただ俺は、その中でも座れる席があるはずだとひたすら目で探した。