背番号6、最後の青春
熱っぽい顔、ダルそうな表情、引きずられた足。
やっぱりやめた方がいいと止めたくなった。
もし、弘也が今日は俺に出てほしくないと思っているのなら、別に俺は出なくてもいい。
俺だって、弘也のかわりだって積極的に試合に出たくはない。
だけど、
「大丈夫だって。しんどくなったら言うから気にするな」
弘也が笑うから、無理やりには止めれなくて。
そうして、今こうしてベンチで試合を見学するにいたるわけだ。
「弘也、なんか辛そうじゃない?」
いつものように隣に座っていた裕翔がふいにそう言って俺を見た。
同意を求めるような目に、目を合わせられずスッとそらす。
「確かに…ね」
そう呟くと、裕翔は「だよな」と言って弘也をマジマジと見た。