背番号6、最後の青春
それから、試合終了のホイッスルが鳴り響くまで、俺は走り続けた。
弘也の代わりだけど、それでも熱中して集中して走り続けた。
だからだろうか。ホイッスルが鳴った瞬間にプツンと集中力が切れた。
急に止まったせいか、息が急激に乱れ始めるのを感じる。
「真矢、ナイスプレイ!」
陸空先輩の声がして、バシッと肩を叩かれる。
結局、点は決めることができた。陸空先輩が綺麗に決めていた。
失点もすることなく、1対0の結末。なんとか一安心だ。
挨拶をしてから、ベンチの方に向かうと、痛む足を動かしながら水筒を持ってこちらに駆け寄ってきた。
「おつかれ、真矢」
弘也が笑ってそういうのに、ありがとうの代わりに思い切り笑った。
「真矢先輩、お疲れ様です」
そう言ってタオルを渡してくれた菜乃ちゃんにも笑いかけ、タオルを受け取った。