背番号6、最後の青春
1.
「…ゴールデンウィーク、か…」
ふと、呟いた。
晴天の空から見下ろす太陽は、随分高い位置にあって暑い。
5月といえども、日が高い時期は暑いものだと痛感させられた。
「ごめんな、ゴールデンウィークに病院に付き合わせて」
申し訳なさそうな顔をしてしょんぼりとする弘也に、大丈夫だと声をかける。
「それにしても、連休なのによく病院の予約なんて取れたな」
尊敬するように言うと、弘也はまあななんて自慢げに胸を張る。
…まあなって、予約したのはどうせ弘也のお母さんだろうに。
それにしても、なんで俺が付き添うことになったのだろうか。
連休中は、病院もたいてい連休だろう。
今から行くのは大きな総合病院だが、だからといって休みでないわけではないはずだ。