背番号6、最後の青春



考えて困惑する俺に、弘也はあははと笑った。

「母さんがさ、先生に頼んで、母さんの仕事がない連休中にって予約を取ったんだよ。

でも母さん、急に仕事が入っちゃってさ。それで真矢に付き添いを頼んだんだ。

俺1人だとちゃんと行ったか信用できないから、真矢から報告してもらうってさ」

はぁ、とため息をつきながらそう言う弘也に、弘也のお母さんらしいなと笑う。

「つーことは、あとから弘也のお母さんから連絡くるかもしれないんだよな」

病院にいるときに連絡が入ることはないだろうが、もしものためにマナーモードにしておいた。

そのために携帯の電源をつけると、菜乃ちゃんからトークがきていた。

『今日か明日の昼から、良ければ会いませんか?』

嬉しいお誘いである。

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