背番号6、最後の青春



だけど今日は昼からといっても多分無理だろう。

「…おい真矢、歩きスマホしてんなよ〜」

弘也に言われ、返信する前にポケットの中に滑らせた。

歩いているうちに病院が見えてくる。相変わらず弘也は痛そうに足を引きずっている。

とはいえ、今日は調子がいいらしく、いつもよりもらくらくと歩いている。

「んで、今日の診察ではなにを診てもらうわけ?病名は分かってるんだろ?」

そう聞くと、弘也はフルフルと横に首を振った。

「診察じゃなくて検査なんだよ。腕が痛いのバレて、転移してないか検査するんだよ」

…ああ、そういうことか。納得して、思わず苦笑いをした。

病院につく。検査というならもう少し勉強用具なりなんなり持って来れば良かったと後悔する。

かなり時間がかかるだろうし。

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