背番号6、最後の青春
適当なものをダウンロードして1人プレイをするのは、なんとも寂しい。
隣に弘也でもいれば、会話もはずんで楽しいんだろうに。
そんなことを思いつつも、なんだかんだでゲームに熱中してしまい、
気付けば簡単なゲームだったのかアッサリとクリアしてしまった。
クリアすれば用はないのでとりあえずアンインストールしておく。
また適当なものをダウンロードしようかとストアを探していると、
「何してんの?」
ドスっと勢い良く隣に座りながら、ケラケラと笑いながら俺に誰かが尋ねた。
聞き間違えるはずのない声に、思わず驚いた。
「弘也、もう検査終わったのかよ」
楽しそうに笑う弘也にそう問いかけると、不思議そうに首を傾げた。
「もう…って、2時間は経ってると思うけどなあ…」
ポリポリと頭をかきながらそんなことを言う弘也に、俺はさらに驚いた。