背番号6、最後の青春
偶然電源のついていた携帯電話で時刻を確認してみると、確かに弘也と別れてから2時間ほど経っていた。
簡単なゲームだし、スイスイ進んでいた故かかなり熱中していたのだろう。
時間が進んでいたのに気付かなかったし、進んでいたとしても30分くらいだと思ってた。
「…いや、2時間でも早くないか?検査の項目少なかったとか?」
そう聞くと、弘也はたしか似早いかもという顔をしてから、
「前にも検査したからな…。確かに、少なかったかもな」
呑気に頭の後ろで腕を組みながらそう言った。
携帯は持ってきているが、特にやるアプリもないらしい。
一応診察時間外だし総合病院のため入院している患者さんもいる。
それでも迷惑にならないくらいの声ならいいだろうと、携帯をポケットに滑り込ませて弘也と向き合う。