背番号6、最後の青春
菜乃ちゃんの提案に、
「お、いいね。せっかくだしなんか買ってってやるか!」
俺はそう言って笑った。
菜乃ちゃんも、こんなのがいいんじゃないですかと言いながら笑っていた。
それから部活のあと、食事をしていく場所を決めて、買い物の場所も決めた。
ある程度決めて早く弘也に会いたいらしい。
なんだか嫉妬してしまうが、まあ弘也は部活のエースみたいなものだし、仕方ないか。
その後菜乃ちゃんと解散した俺は、近くのコンビニにバイトの申込みなどをしに行った。
ちなみにバイトは週に3回。
金曜日土曜日の夜と、水曜日の夜に入れている。
土曜日が昼じゃなくて夜なのは、部活と被らないようにするためだ。
それに、万一部活が休みであれば、昼から弘也に会いに行くこともできる。
週3回のバイトで稼いだお金だけで入院費を賄えるとは思ってないが、
少しでも足しになればそれでいいのだ。
暮れかけた日にむかい、頑張ろうと決意をした俺を、
オレンジ色の空が優しく見下ろしていた。
見守るようにして、見下ろしていた。
薄くたなびいた雲は、西の空に吸い込まれるようにして消えていった。