背番号6、最後の青春
そんな、時だった。
「すいません、お聞きしたいことがあるのですが」
なんだか聞き覚えのある声が、俺にそう声をかけた。
先程入ってきたお客さんだろうか。
品出しをしていたために詳しくは顔を見ていなかった。
それなので、立ち上がり声をかけた人に、
「なんでしょうか」
と元気よく聞き返して、その人の顔を見て大変驚いた。
だって、こんな時間だ。
朝でも昼でもここのコンビニに来ることがほとんどないはずなのに。
「り、陸空先輩?!」
キャプテンである陸空先輩は、電車通学をしているから、このあたりに来ることは滅多にないはずだ。
俺の反応に満足げに笑った陸空先輩は、俺の近くの商品を見て選びながら、
「いつ頃バイトが終わるのかな?」
そんなことを問いかけてきた。