背番号6、最後の青春



周りを見渡すとほとんど準備が終わってしまっている。

陸空先輩は通りかかる後輩たちに「ご苦労」なんて言いながら笑っていた。

「じゃあ荷物置いてくるな〜」

そう言い俺らから離れようとした陸空先輩の首根っこを、幸人先輩が掴んだ。

「お前はまずテント建てるのを手伝え」

幸人先輩がジッと睨むようにしながらそう言うと、陸空先輩はムッとしてから仕方なく荷物を置いた。


…陸空先輩に怒られそうだから口には出せないけど、相変わらずの身長差が微笑ましい。

なんせ、幸人先輩は183cmと背が高い。逆に陸空先輩は164cmと背が低い。

陸空先輩いわく、成長期がきてないだけでこれから伸びるらしい。

ちなみに俺は170㎝と平均的な身長。弘也はその5㎝ばかし上だ。


2人のやり取りを見てニヤニヤしていると、陸空先輩に睨まれてしまった。

「真矢、お前だけ外周させるぞ」

ムッとしながら脅してくる陸空先輩に、ヘラっとしながら「ごめんなさい」と謝る。


…やっぱ、部活は楽しい。

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