背番号6、最後の青春
準備をし終わり、相手のチームと軽く挨拶をしてアップを始める。
試合までの時間は長いようで、練習に没頭してしまうのですごく短い。
本当にあっという間だ。
練習試合だがユニフォームに着替えてベンチに移動する準備をする。
練習試合でもユニフォームを着るのは監督のこだわりだ。
いつものように13番を背負った俺は、6番を背負う弘也とともにベンチに向かった。
4月のはじめだからだろう。相手チームのレギュラーに見慣れない人がいた。
スタメンはもちろんのこと去年と何ら変わりないメンバーだが、レギュラーに1人知らない奴がいる。
相当うまいんだろうなと、気を引き締める。
「じゃあ、頑張ってこいよ」
「おうよ、真矢は俺の勇姿を目に焼き付けとけよ!」
フィールドに向かう弘也に声をかけると、弘也らしい返事が返ってきた。
それを「はいはい」と軽く流し、俺はいつものようにベンチに座った。