背番号6、最後の青春



「調味料なんか見て、料理でもするのか?」

そう問いかけると、菜乃ちゃんはフルフルと首を横に振った。

「何か面白いものがないかなと思いまして」

指で品物を追いながら、考えながらそう言う菜乃ちゃん。

…面白いものって、面白いものと言われましても…。

「コンビニの調味料に面白いものを求めるのは間違ってると思うんだけど…」

並べる商品を見ながらそう言うと、菜乃ちゃんはそうですねと言って笑った。

「まあ、調味料には面白いものはありませんけど、面白い噂なら聞きましたよ」

商品を見るのをやめて、俺の方を向いてニコリと笑いかけてきた。

聞きたいですかと問いかけてくる。

…確かに、聞きたい気がする。

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