背番号6、最後の青春



それからその女子たちの方に向かった陸空先輩は、何やらその人たちに注意をしに行った。

「真矢、気にするなよー」

休憩を終えた俊太が、俺の肩を軽く叩きながらそう言って笑った。

「ほんとほんと。サッカー部の奴らは誰もあんな噂信じてねえからな」

俊太のあとを追ってきた裕翔が同じように肩を叩いてくる。


確かにみんなは、周りからの冷たい視線には気付いていても俺に冷たい目を向けることはなかった。

むしろ、なんだお前と言いたげに周りを睨むようにしていた。

「犯人探しとかしないんですか?」

こちらに歩きながらそう問いかけてきたのは菜乃ちゃん…ではなく、

俺と同じポジションのために最近仲良くなった陽だった。

弘也と似たおちゃらけキャラだが、陽はチャラい雰囲気が特徴的だ。

< 177 / 283 >

この作品をシェア

pagetop