背番号6、最後の青春
まあ、一応幸人先輩に頼んでみるか。もしかしたら作ってくれるかもしれないし。
それから、弘也の体調の良さそうなところを見て本当に安心した。
とはいえ病気が肺にも転移しているから、無理は禁物らしい。
体にあまり負担をかけないように、ベッドで寝ていることがほとんどだ。
「そういえば、弘也暇だよな。読みたい漫画あれば貸してやるけど、いる?」
弘也のクッキーを一つもらいながら尋ねると、
「おー、いるいる!前に俺が見たいって言ったやつ持ってきてくれる?」
ジュースを飲みながら弘也はそう言った。
「了解。んで、体調の方はどうなんだ?だいぶ良くなったように見えるけど」
もうクッキーを食べてしまったらしく、肩を落としている弘也に尋ねる。
弘也は俺の問いにニコッと笑うと、
「そうなんだよ、最近良くなってきてさ。そうそう!外出の許可が出たんだよ!」
目をキラキラと輝かせながら嬉しそうに言った。