背番号6、最後の青春
どうやら最近調子が良くなってきたらしく、前々から申請していた外出の許可が出たらしい。
恐らく、一度抜け出したのもあり外出の申請を出した時点で前向きに検討してくれていたらしい。
普通なら外出を一切禁じるところだが、なぜか前向きに検討してくれたと喜ぶ弘也。
…聞いた話では、海に行ったあとしばらく弘也の調子が良かったらしい。
病は気から、とはこのことなのだろう。気分が良ければその分体調も良くなるのだろう。
だからきっと、好きなところに出かけたて調子が良くなることを祈って、
体調が安定した時期に外出の許可を出してくれたのだろう。
「良かったな。で、どこか行きたいところでもあるのか?」
尋ねると、弘也は首を傾げながらうつむいてしまった。
恐らく、まだなにも考えていないのだろう。
俺は別にどこでも良かった。
先生が行っていいというのなら、どこへでも連れてってやる気だ。