背番号6、最後の青春
病室がオレンジ色に染まり始める。そろそろ日が暮れてきたようだ。
あまり遅くなっては困るが、とはいえここまで家により自転車できたため、最悪でも6時半頃にここを出ればいいだろう。
弘也は相変わらず、なにやら唸りながらどうしようかと悩んでいる。
そんな中、ガラッと病室の扉が遠慮なく開いた。
にも関わらず、弘也は気付いていないのかまだまだ唸っている。
「…うるさいわよ、何唸ってるの」
俺らの方に駆け寄ってきてそう言うのは花恋ちゃんだ。
手を腰に当てて弘也を見下ろすようにしているが、なんせ花恋ちゃんの背が低いために視線がそう変わらない。
同じ年くらいだとは聞くが、いつ見ても結構背が低い。
「ちょっとね。そういえば、花恋ちゃんっていくつなの?」
なんとなく流れで聞いてみると、花恋ちゃんはムッとして俺を睨み付けた。