背番号6、最後の青春



「明日で17歳よ。だから、うるさくなるかもしれないけど、許してね」

それだけ言って自分のベッドに戻ろうとする花恋ちゃんを引き止める。

「え、明日?誕生日明日なの?」

そう聞くと、花恋ちゃんは頬を染めながら頷いて俺の腕を振り払う。

「明日かぁ…、なんかほしいものある?といっても買ってやるだけの金がねえけど」

ごめんなと言いながら笑う弘也に、花恋ちゃんは別にいいといってそっぽを向いた。

それから少し考えて弘也の方を向くと、恐る恐るではあるが、

「じゃあ、勉強、教えてくれる?」

期待を込めた笑みを浮かべながら弘也に問いかけた。

「勉強?」

「そう。もともと学校休みがちで行けてないから、教えてほしくて」

弘也が聞き返すと、花恋ちゃんは頷きながらそう答えた。

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