背番号6、最後の青春
いつもそうだ、そうやって太陽みたいな顔で笑うんだ。
もうとっくに部員は帰ってしまっていた。
試合後のミーティングが終わって、もう1時間くらい経っただろう。
片付けの終わってしまった校庭を見つめる。
オレンジ色の夕日に照らされていて、こうして2人並んで立っているだけでも青春しているみたいだった。
「つーか、会場が俺らの高校だから良かったものの、別の高校だったら電車の中で泣くはめになったんだぞ。
そろそろ泣き虫は治らねえよかよ」
俺がジロっと睨むようにして見ると、そいつは、弘也は、人差し指を立ててチッチと左右に振る。
「普段は泣き虫じゃないんだよなあ。試合後に泣くのは許してくれよ」
偉そうに腰に手を当ててそう言う弘也の話を軽く流し、俺は荷物を手に取った。
「おい、無視するなよ馬鹿!」
弘也も荷物を持って俺の後ろを追ってきた。