背番号6、最後の青春



一応、昨日話した段差で、家と学校という希望は出ていた。

どちらもほとんどいつでも行けるからである。

学校なら、いつも通り練習している時に遊びに行きたいらしい。

みんなにもなかなか会えていないし、公式戦前の今、どんな練習をしているのか気になるらしい。

それに公式戦の前だ、“最後に”練習をしている先輩方の姿を、しっかり見ておきたいらしい。


その日は偶然、帰りに寄ったコンビニで安売りしているお菓子があり、なんとなく買ってから弘也のところに向かった。

病室に入ると相変わらず花恋ちゃんと2人でいちゃいちゃ…もとい、勉強をしていた。

「弘也やっほー、お菓子買ってきたよ」

ちょうど分けれるようなお菓子だったため、花恋ちゃんと分けてと言って渡しておいた。

花恋ちゃんはふいっとそっぽを向きながらも、ありがとうと言ってくれた。

「あ、そうだ、良い知らせがあるんだけど、真矢にも一応話しとくな」

早速お菓子をあけた弘也が、俺に向かってニッと笑った。

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