背番号6、最後の青春



俺がなんのことだと首を傾げると、弘也は花恋ちゃんの方を見てまた笑った。

「花恋ちゃん、3日後退院が決まったんだって。しばらく通院はしなきゃいけないらしいけど」

「え、おめでとう!またポッキーでも買ってくるな!」

いきなりの朗報にそう言うと、花恋ちゃんはふっと笑ってありがとうとまた言った。

だけどどことなく悲しそうな顔をしていて、そういえばと花恋ちゃんの友人の話を思い出した。

そういえば、花恋ちゃんって弘也のことが好きなんだっけ。

なかなか会えなくなってしまうから、寂しいのだろうな。

ふんふんと納得しながら弘也の方を見ると、ニシシと笑いながらもう一つ報告があると言った。

花恋ちゃんはちょっとと怒った様子で弘也を止めようとする。

…なになに、気になるじゃん。

興味本位で早く言えよと急かす。

…それが、間違いだったのだろうか。

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