背番号6、最後の青春



それからすぐ花恋ちゃんは真剣な顔になって、俺の方をみた。

「実際、どのくらいなの?」

覚悟を決めた顔つきに、俺も真剣な目で見つめ返す。

はっきり言って?と聞き返すと、はっきり言ってと返ってきた。

「…3週間だよ。昨日、3週間くらいだって先生に言われたんだ」

だから俺もはっきりと、きっぱりと真実を述べた。

悲しそうに歪む花恋ちゃんの顔に、少し旨が痛くなった。

けれど、嘘はつかなくて正解だと思う。3週間でどのくらいの幸せを積み上げられるかなんて知れてるけれど。

「そっか、うん、まあ、それくらいか…。でも私が退院してからもしばらくは会えるな」

だからいいかなと、花恋ちゃんはゆるりと笑った。

恋する女の子の顔だ。弘也によく似合ってる、可愛らしい女の子。

「さてと、早くジュースとお菓子買っていかないとね。

あ、もちろん荷物持ちよろしくね」

スキップをしだした花恋ちゃんの後を追う。

…荷物持ちは強制かよ…。

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