背番号6、最後の青春



「あんまはしゃぎすぎて先輩に迷惑かけんなよ〜」

軽くそう言うと、弘也は分かってるよと言って頬を膨らました。

車椅子を押す道は、いつもよりも少し長いようだった。

重みのある足と車椅子、足が地面から離れたくないと駄々をこねる。

一歩一歩進むごとに弘也と過ごせる時間が短くなっていくから、進みたくないと駄々をこねる。

だけど行かないとと必死に歩みを進める。

すり減っていく弘也との時間、大切な時間が削れる音がするようだ。

じゃり、じゃりと、それは道路に転がるほんの小さな小石を踏む音だけれど、まるで弘也との時間が削れていく音のようだった。

弘也は何も知らないから、楽しそうに笑って進め進めと前を見る。

俺は知ってるから、これがこの道を弘也と歩く最後の日になるときっと知っているから。

だからこんなにも俺の足は、歩きたくないとわがままを言うのだろう。

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