背番号6、最後の青春



改めて会場を見渡す。見慣れない、いつもとは違うグラウンド。

土の感じとかがやはりいつもと違って、うまく走れるか心配になる。

まだ俺らの前の前のチームが試合をしているのを見ながら、会場の人に指示された場所に荷物をおいた。

本気でぶつかる2チーム。それを眺める俺と陸空先輩。

「あ、真矢先輩に陸空先輩、おはようございます!」

無言の空気が流れる中、ひょこっとやってきた菜乃ちゃんが挨拶をしてきた。

「菜乃ちゃんも早いね〜。そういえば家が近くなんだっけ?」

尋ねる陸空先輩に、そうなんですよと菜乃ちゃんが笑う。

そうして、菜乃ちゃんは遠慮なく俺の隣に腰掛けた。

制服を着てきてるくせして、全く汚れを気にする素振りもない。

大胆にドスっと腰を掛けて、お茶を取り出して美味しそうに飲む。

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