背番号6、最後の青春
今日は大切な試合なんだから、目の前の勝負に集中しないとだめだから。
あまり深く何かを考えすぎるのはよくないだろう。
…ただ、やっぱり弘也に見に来てほしかったなと思う。
弘也に、応援してほしかったな。そんなことを考えながら靴を履き替える。
「みなさん来たみたいですよ」
スクっと立ち上がった菜乃ちゃんが、そのみんなの方に手を振る。
6人くらい、まとまって来ているようだ。その6人を先頭に、バラバラと他の人も来た。
今やっていた試合が終わり、ユニフォームに着替えて端の方で練習をし始める。
基礎練習のペアは裕翔とやった。いつもは弘也だから、なんだか違和感。
「…お前、やっぱり弘也に試合見に来て欲しかっただろう」
ボソッと呟いた裕翔の言葉に、思わず「え?」と聞き返す。
「まあ、確かに弘也には見に来てもらいたかったな」