背番号6、最後の青春
本部の人にスパイクだとかレガースだとかのチェックをしてもらい、準備を整える。
大切な試合の大切な一戦目。相手が誰であろうと関係ない。
勝つまでだ、勝つんだ俺らは。
並んで、進んで、フィールドの中央に立ち挨拶をする。
そうして円陣を組んで、チームのみんなと声を合わせる。
ピリピリという緊迫感をこの身に受けながら、大きく深呼吸をしてポジションにつく。
いつも通りのポジションなのに、どうしてか景色が違って見える。
土の感触をしっかり覚えて、心の準備を整えてから、ゆっくりと相手を見据えた。
前半は、相手ボールだ。見慣れない景色のフィールドに、スタートの合図がけたたましく鳴り響いた。
攻めてくる相手のパスを、陸空先輩がカットしようとする。
俺は陸空先輩の動きから予想し、おそらくボールがこぼれてくるであろう場所を目指す。
やはり、陸空先輩の足に当たったボールが予想していたあたりにこぼれてきた。
あらかじめ確認していたフォワードの場所へとパスを出す。