背番号６、最後の青春

相手のチャンスはとことん潰して、俺らにチャンスが回ってくるように。

ただひたすら足を動かして、周りを見て次の行動を起こす。

そんなわけないのに、弘也の応援する声が聞こえてした気がした。

それを背中に受けてまた、一歩を踏みだして走り続ける。

だけど、相手にチャンスを招いてしまった。

俺がカットミスして抜かれてしまい、センターバックが前に出てきた。

相手がサイドにパスを出すと同時に、慌ててセンターバックの分を補う。

しかしそのまま、寄せる前に別の人へとパスを出されてしまう。

ゴールへと近付いていくボール。

右から出た相手のフォワードが、左の方へとうまくシュートする。

キーパーの手にあたり跳ね返ったボールを、予測していたもう1人がディフェンスを交わしてシュートする。

先制点を奪われてしまったようだ。