背番号6、最後の青春



そのうちに、前半戦が終了してしまった。

あっという間に過ぎ去った時間。思い出しながら反省点を見つけていく。

先生の話をしっかり聞いて、後半戦に備えて前半の試合を振り返っていた。

試合が始まりそうになりフィールドに入る直前、陽がこちらに手を振っているのが見えた。

だから俺は陽と、陽の持っている携帯に向かって、「頑張ってくる」の意を込めて片手を上げた。

今度はこっちからスタート。後ろに下げずに前にパスを出した陸空先輩。

そのボールを追うようにして、一気に相手の陣地に攻め込んだ。

が、うまくチャンスにすることはできず、またボールがこちら側へと戻ってくる。

後半戦はなんとか、自分の陣地と相手の陣地を交互に行ききしている状態だ。

点を取り返すのは、少し厳しい。

けど、取り返さなければ負けてしまうのだから、やるより他にない。

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