背番号6、最後の青春
「ごめん、勝って、弘也に勝利を、プレゼントしたかったのに、負けちゃった…」
嗚咽を繰り返しながらなんとか言葉を紡ぎ出すと、弘也は笑ったまま、
「何言ってんだよ。お前の、みんなの試合を見れたことが、1番のプレゼントだよ」
だけど泣きそうな顔をしながらそう言った。
「それじゃあ、陽に感謝しないとな」
「ほんとだよ、マジで、陽、サンキューな」
弘也にお礼を言われた陽は、それほどでもと照れくさそうにえへへと笑っていた。
「真矢、本当に、お疲れ様」
もう一度俺にそう言った弘也に、涙を拭って思い切り笑顔を浮かべる。
「おう、サンキュー!」
元気よく、笑いながらそう言うと、弘也も安心したように笑った。
「真矢先輩も、早く来てくださいよー!」
菜乃ちゃんの声が聞こえてくる。
そちらを見ると、メンバーたちが並んでいて写真撮影をするようだった。
早く早くと急かすような目に、仕方ねえなと携帯を陽に渡す。
「また、そっち行くからな」
それだけ伝えて、
「おう、待ってるからな」
その声だけ聞いて。