背番号6、最後の青春



時間を見計らって帰ろうと時計を見ていると、弘也はそうだと言って封筒を取り出した。

封筒というよりは、便箋のようだ。結構分厚くかたい。

「それ、俺と花恋ちゃんから、お前へのプレゼント」

プレゼント?と首を傾げながら中身を取り出すと、試合のときの俺の写真が何枚も入っていた。

すごく綺麗に撮れていて、「誰かが撮ったんだ」と聞くと、弘也は自慢げに「花恋ちゃん」と胸を張って言った。

「花恋ちゃんってさ、昔から体弱くて入院しがちで、だからカメラで写真を撮って遊んでたんだって。

それで、カメラの使い方を覚えたらしい」

弘也の言葉に、ああなるほどと納得した。

「それはそうとして、なんでいきなりプレゼントなんかくれたんだよ」

よく撮れた写真を見ながら弘也に聞くと、弘也はニヤッとしてカレンダーを右手で指差した。

カレンダーの隣には試合の日に最後に撮った写真が飾ってあった。

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