背番号6、最後の青春
「湿布取りに保健室に」
そっけなくもそう答えると、弘也は納得してついてきた。
怪我人…、怪我ではないかもしれないが、足が痛むなら大人しく座っててくれればいいのに。
しかしそんなことを言ったらきっと弘也は文句を言うだろう。
だから俺はあえて何も言わず、隣に並んだ弘也とたわいない話をしていた。
「ちょっ、真矢先輩!わたしが持ってきますから!弘也先輩は座ってて!」
慌てて後ろからついてくる菜乃ちゃんの声を聞きながらも、俺と弘也は保健室に向かう。
結局菜乃ちゃんもついてくる形となった。
というか菜乃ちゃんが保健室の鍵を持っているらしく、菜乃ちゃんと行かないと保健室に入れないそうだ。