背番号6、最後の青春
俺の登場に、真っ先に菜乃ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
周りを見渡すと、陸空先輩や幸人先輩、それから陽、そして俊太に裕翔、それから同じ学年のやつが2人ほどと、違和感なく花恋ちゃんがいた。
花恋ちゃん、違和感なさすぎて分からんかったんだけど。
「真矢先輩、おかえりなさい!」
さあ入って入ってと俺を中に押し込み、菜乃ちゃんは扉を閉めた。
中ではお菓子を広げていて、さあ食べてと陸空先輩に進められて食べる。
…美味しいんだけど、なんだろう。
「この状況、なんなんですかね」
「…いやー、みんなで泣きあおうぜ、みたいな?」
俺が首を傾げると、陸空先輩がそんなことを言って両手を広げた。
俺はそれを無視しつつ、ベッドの端に腰掛けた。
「まあ、とりあえず、ありがとうございます」
ニコッと笑いかけると、みんなが満足げに笑った。