背番号6、最後の青春



眠りについたのは、11時というお泊りにしては随分と早い時間だった。

俺1人ベッドで寝るわけにもいかず、みんなそろって床で寝ることとなった。

菜乃ちゃん、男しかいないこの環境で寝れるのかと思ったが、意外にも1番初めに寝てしまった。


一度闇に沈んだ意識を取り戻したのは、多分夜中の3時前だったと思う。

窓から差し込む月明かりが、ユニフォームの番号を照らしていた。

最近使って、洗ってたたんでおいたユニフォームだ。

寝ている位置からそう遠くなかったそれを手にとって広げてみる。

…弘也の背負っていた6番。このユニフォームは1番に弘也のことを思い出させる。

窓から見える月が、俺とユニフォームを照らしていた。

こんな夜に1人じゃなくて良かったとつくづく思う。

なんだかんだで、陸空先輩たちには感謝しないといけないな。


…また、もう一度ユニフォームを見つめる。

そうしてギュッとユニフォームを抱きしめた。


頑張るから、見ててよな。

いつかお前がびっくりして腰抜かすくらいうまくなって、この番号を背負うに相応しくなってやるから。

< 277 / 283 >

この作品をシェア

pagetop