背番号6、最後の青春
それからは、練習に練習を重ねてぐんぐんと上にのぼり詰めていった。
弘也がやっていた練習よりもずっとたくさん、何度も何度も練習を繰り返した。
次期副キャプテンは真矢かもな、なんて陸空先輩に言われたりもした。
俺は知ってる。
本当は弘也がキャプテンか副キャプテンになるはずだったこと。
だから、俺は弘也に追いつきたかったから、まずは副キャプテンにならないとと思ったんだ。
弘也に、いつか弘也が驚くほど強くなって勝ちたいから。
いつまで経っても心の空白は埋まらない。
弘也を失って得てしまった空白は空白のままだ。
「真矢先輩、頑張ってくださいね!」
もうすぐ練習試合。
準備をした人が集まりかけている中、その隅で呆然とする俺に菜乃ちゃんが声をかける。
そんな菜乃ちゃんにニコッと笑いかけて、
「好きだよ」
サラッと告白でもしてみた。
途端に赤くなる菜乃ちゃんの顔。
「い、いきなりなんですか!」