背番号6、最後の青春



慌ててそっぽを向いた菜乃ちゃんに、思わず笑みがこぼれた。

弘也が、背中を押してくれる気がした。

なあお前なら、こんな時でも言えよってからかうんだろう。


「菜乃ちゃん、今言うことじゃないかもしれないけど、付き合ってください」

本当に空気読めないやつみたいになってるけど、流れからそう言う。

さらに顔を赤くした菜乃ちゃんは、小さな声で、

「よ、よろしくお願いします…」

と言って目をそらした。

それからバッと俺の方を向くと、

「そんなことはいいから!試合、頑張ってきてください!」

照れ隠しかそう言ってバシバシと背中を叩かれた。

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