背番号6、最後の青春



つい、だけど言ってしまった。あまり広めないほうがいいはずなのに。

…いや、俺が正直に陸空先輩に話すと思ったからわざと嘘をついたのかもしれない。

それなら、言っていいことなのかもしれない。

陸空先輩は、小さな声で「そうか」と呟いて少し考え込んでしまった。

「…昨日学校で会った時も、足痛そうには見えなかったんだけどな」

そうだったのか、と付け足して困ったように笑う陸空先輩に、

「弘也は、強がりですから」

先輩みたいに、と付け足したい気持ちを抑えてそう答えた。

「それにしても、筋肉疲労じゃない気がするって、お前弘也のことよく見てるな」

そんな俺に、陸空先輩は感心しながらそう言って笑いかけてきた。

「きっと真矢しか気付いてないよ、さすが親友」

その言葉に、気持ちがスッと楽になった気がした。

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