背番号6、最後の青春



…さすが親友、か。

陸空先輩のそんな言葉に笑みを浮かべていると、陸空先輩が「あ、」と声を漏らした。

「やっべ、だいぶ話し込んじゃったな。そろそろ帰らないと」

目を細めて運動場の向こう側を見た陸空先輩は、俺の腕をつつきながらそう言った。

「あー、もうこんな時間ですか。確かに、そろそろ帰らないと怒られちゃいますね」

あははと笑ってそう言うと、陸空先輩はそうだなと言って歩き出した。

その後ろをついて、部室まで向かう。

雨は少し小ぶりになっていて、濡れた服が乾いてすーっとする。

雲に隠れて見えない日が沈みかけた頃だ。春の夜の風は冷たくて肌寒い。

荷物をとって、部室の鍵を閉めて陸空先輩と歩く。

話すにも話題が見当たらず、とりあえず陸空先輩に鍵を預けて一歩後ろを歩く。

陸空先輩が鍵を職員室に戻してから、正門までは2人で歩いていた。

「とりあえず、さ」

不意に陸空先輩が振り返ってそう言った。

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