背番号6、最後の青春



翌朝、登校中にさらっと昨日の部活について聞かれた。

いきなり雨が降ってきて土砂降りだったことを聞いたらしく、風邪を引いてないか心配してくれたようだ。

さすがにあそこまで雨が降ったら部活は続けられないと言った俺に、弘也は「そうなんだ」と呟いた。

「…で、弘也、今日はさすがに部活に来るんだよな?」

昨日の雨が嘘のような青空の下、隣を歩く弘也に尋ねる。

ところどころに見える灰色がかった雲が、昨日のことを思い出させる。

弘也は少し考えたあと、思い切り笑ってそのエナメルバッグを見せながら、

「あったりまえじゃん!今日は何も用事ねえからな!」

すんごく嬉しそうな顔をしながら、言葉を弾ませながらそう言った。

「そうか。それは良かった。

…それでさ、昨日、本当は眼科なんて行ってないんじゃねえの?」

さり気なく、というほどさり気なくもないがそう話を振ってみる。

弘也は、まさかそんなことを聞かれると思ってなかったのだろう。

一瞬目を見開いて驚いた顔をしたあと、困ったように笑っていた。

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