背番号6、最後の青春
放課後、言ったとおり弘也は教室まで俺を迎えに来た。
いつもは俺が迎えに行くのに、いつになく早くて、相当部活が楽しみのようだ。
たった2日休んだだけなんだけど、弘也にとっては2日“も”なんだろう。
目をキラキラさせながら「行こう」と声をかけてくる弘也は、まるで幼い子供のようだ。
「…今日は基礎練の相手探さなくて済むし、練習始まるまでなんかするか」
「んー、俊太のあたりでも誘ってワンバンノーバンでもやるか」
「いや、ノーバンでやれよ。てか、鳥かごやろうぜ」
適当な話をしながら部室に向かう。
今日は弘也の準備が早かったためか、昨日と同じくらいの人がいた。
いつも弘也がいるときは、大体の人が準備を終わらせていることが多い。
部活が楽しみなのか、うまく荷物がまとまらずいつも嘆いている。
たまに俺が手伝うこともあったりする。