背番号6、最後の青春



いつものように俊太の隣に荷物を置くと、その俺の隣に弘也が荷物を置く。

「あれ、珍しく来るの早いな」

からかうようにしてそう言う俊太を、「うるせえ」と睨みつける。

俊太はいつも来るのが早く、いつもは俺らが来る頃にはもう外にいる。

今日は来るのが早かったから、まだ部室の中にいた。といっても、もう着替えてスパイクに履き替えてるけど。

「おう、早いだろ!あ、さっさと準備するからあとで鳥かごやろうぜ!」

弘也はそう言うと、猛スピードで着替え始めた。

なんか、尊敬したくなるくらいの早着替えである。

俺がソックスを履き始める頃には、もう準備万端らしく、先に部室から出ていこうとする。

俺はそんな弘也の服をつかみ引き止めた。

「足の痛みは、大丈夫なのか?」

部室にはまだ人がいたが、その騒がしさに俺の声は弘也にしか届かなかった。

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