背番号6、最後の青春
さすがに4月中旬頃の水浴びは早すぎるようだ。風に吹かれてスースーするし、肌寒い。
だけど、少しサッパリした。
「ごめん、菜乃ちゃん、ありがとう」
お礼だけ言って、とりあえず部室に戻りタオルで軽く頭を拭いた。
少しは頭が冷えただろう。目が覚めた感じだ。今だけは練習に集中しよう。
タオルを置いて、部室から出る。それからの練習は、まあなんとか集中できた感じだ。
練習が終わり片付けを済ませてから、弘也と並んで愉多先生の元へと向かう。
みんなより早めに行ったが、話はミーティングの後らしくあまり意味はなかった。
ミーティングが終わり、ある程度人が帰ってからだった。
「話という話はないがな。ただ、ユニフォームを渡したかっただけだ」
愉多先生にそう言われ、ユニフォームを受け取った。
俺は6番を、弘也13番を受け取った。
「…なんでいきなり背番号を変えたりなんかしたんですか」