背番号6、最後の青春
弘也の左手を俺の右肩において、急に倒れてもいいように支える。
「…全然何も言わなくてごめんな。怒ってる…よな?」
俺の肩に少しだけ体重をかけながら、恐る恐るそう尋ねる弘也。
そんな弘也に笑いかけて、大丈夫だと言うように首を横に振る。
「いつかは言ってくれることを信じてるから。まあ、それまでは何回も聞くだろうけど。
でも、無理に言わせたりはしないようにする」
そう言うと、弘也は安心したように笑ってよかったと小さな声で呟いた。
「とりあえず家までは送ってくな」
歩き出すと、弘也も俺に合わせてゆっくりと歩き始めながら、ありがとうと笑った。
「…部活もさ、来る気なんだろ?
俺が支えるから、痛かったらすぐに言って。あと、陸空先輩には言っとこう」
続けてそう言うと、弘也は少し悩んだあと、こくこくと頷いた。