背番号6、最後の青春
2.
翌朝、早めに家を出て弘也の家に向かう。
集合場所から弘也の家まではそんなに遠くはないけれど、一応迎えに行くことにしたのだ。
…昨日も転びそうになってたし、どこかで転ばれても困る。
部活にはもちろんのこと行くつもりだろうし、そうなると荷物が重たいはずだ。
…弘也のことだ、足が痛いことをみんなにバレるのを嫌いそうだし。
弘也の家はマンションだ。たしか2階に住んでると言っていた。
家の目の前までは行かなくていいだろうと、マンションの扉にもたれていた。
少ししてから出てきた弘也は、俺に気付くと驚いてはいたけど、すぐに駆け寄ってきて、
「ごめん、わざわざありがとう」
そう言って笑っていた。だから俺も、大丈夫だと言って笑い返した。
「それはいいとして、足の調子は?」
そう少し小さめの声で、ボソッと尋ねる。